血糖値(GLU、Glu、Glucose:以下血糖値)は糖尿病を見つけたり、低血糖を見つけるために重要な項目です。その血糖値は食事やホルモンの影響をうけてバランスを取っています。
血糖値は高すぎるのも、低すぎるのも病気のサイン。
キチンと血糖値について理解しましょう。
この記事では血糖値にまつわることを7つのポイントで解説していきます。
- 血糖値とは何か?
- 血糖値の調節機構はどうなっているのか?
- 血糖値が高い/低いとき様子を見てもよいのかどうか?
- 血糖値が上がる/下がる具体的な原因は何か?
GLUについて
まずは、血糖値とは何でしょうか?
血糖値について解説します。
血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。
グルコースは体にとって不可欠なエネルギー源で、枯渇すると生命を維持することができません。
特に、脳ではエネルギー源としてグルコースしか利用できないため、低血糖になると脳の機能が低下し、意識が混濁したり、痙攣発作をおこしたりするなど危険な状態となります。
血糖値の調節機構
グルコースは重要なエネルギー源です。
グルコースの吸収と貯蔵
食事で摂取された炭水化物は、分解されてブドウ糖(グルコース)となります。
グルコースは腸で吸収されて門脈と呼ばれる腸と肝臓をつなぐ血管の血液中に入ります。
吸収されたグルコースはまず、多くが肝臓に取り込まれて、グリコーゲンや脂肪として貯蔵されます。
そして、グルコースは血液を循環しエネルギー源として利用されます。
余ったグルコースは筋肉でグリコーゲンとして、脂肪組織で脂肪として貯蔵されます。
血糖値を上げるしくみ
では、空腹などでグルコースが不足する(血糖値が下がる)とどうするのでしょうか?
空腹になっても血糖値を上げる体の仕組みがちゃんとはたらきます。
これで、ちゃんと低血糖にならないようになっているのです。
低血糖にならないための2つの仕組みがあります。
①貯蔵しているグリコーゲンを分解
低血糖にならないための仕組みの一つが肝臓に貯蔵されたグリコーゲンです。
まず、脳が低血糖を感知すると、体を正常に保とうとする自立神経を介して指令が出されます。
これによってホルモンを分泌する臓器である副腎の髄質という場所からアドレナリンなどのカテコラミンが分泌されます。
また、膵臓も血糖値の低下を感知して、グルカゴンというホルモンを分泌します。
グリコーゲンは、膵臓から分泌されるグルカゴンと副腎髄質から分泌されるカテコラミンの作用によって分解されてグルコースに戻ります。
これによって緊急的に血糖値が上昇します。
②新しく糖を作る(糖新生)
血糖値が下がると、脳の下垂体という場所から副腎に指令を出すホルモンが分泌されます(副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)といいます。)
このACTHの指令を受けて、副腎の皮質という場所からコルチゾールという糖質コルチコイドが分泌されます。
副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドにより、筋肉のタンパク質が分解されアミノ酸になります。また、脂肪も分解されグリセロールがつくられます。
これらのアミノ酸やグリセロールは主に肝臓でグルコースへ合成されます。
このようにして糖新生は起こりグルコースがつくられます。
糖質コルチコイドはその他にも、グルカゴンやカテコラミンの作用を促進する効果もあり、様々な効果で血糖値を上昇させて一定に戻します。
血糖値を下げる仕組み
食事や激しい運動などで、血液中のグルコースが増えた(血糖値が上がった)ときも、血糖値を下げるための調節機構が働きます。
それが膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。
体の中で血糖値を下げる仕組みはこのインスリンによる一つしかありません。
インスリンは様々な場所ではたらき、血糖値を下げます。
1つは肝臓に作用して、グルコースからグリコーゲンを合成して肝臓に蓄えるように促します。
また、骨格筋や脂肪細胞など全身の細胞に作用してグルコースを吸収させます。
この様なインスリンのはたらきによって、血糖値は下がって一定に保たれます。
このように、自律神経とホルモンとがともに関わることで、血糖値は上がりすぎず、下がりすぎないように一定に保たれています。
- 血糖値は体の中で一定に保たれるようになっている
- 血糖値を上げる仕組みはカテコラミンやグルカゴン、コルチゾールといったホルモンが関連している
- 血糖値を下げる仕組みはインスリンだけ
血糖値の参考基準値
検査会社 | 参考基準値 |
富士フィルムVETシステムズ | 75~128 mg/dl |
IDEXX | 60〜123 mg/dl |
病院で使っている検査機器や、外注検査の検査機関でも数値の差はあります。
数値を比較する際は同じ条件で検査を受けると分かりやすいでしょう。
血糖値が高いときに考えるべきポイント
血糖値が高いときに考えるポイントを解説します。
血糖値が上がる原因は生理的な問題のないもの、病気による変化、糖尿病と様々です。
大切なことは、正しい方法で検査を受けて数値から正確に今のワンちゃんの状態と照らし合わせて獣医さんが判断できるようにすることです。
今回紹介するポイントを抑えることで何が原因で血糖値が高くなっているのかを見極める材料になり、緊急性が低くすこし様子を見ても問題ないものなのか考えることができます。
ポイントは3つです。
- 採血前に食事を取ってきたか
- 血糖値の上昇の程度はどれくらいか
- 体調に問題はないか
食事をとってきたか
まずは、採血をうける前に食事を取ってきたかどうかです。
単純なことですが、食後は摂取した炭水化物からぶどう糖を吸収するため血糖値が上昇します。そのため、食後に血液検査を受けると必ず少し高めの数値になります。
しかし、この少し高めの数値になった場合、食後の高血糖なのか、そうではない病気かが分かりにくくなってしまいます。
病気で高いのか、そうじゃないのか分からないと困りますね
こういった問題を避けるため、動物病院に行って血液検査を受ける際は食事を与えない方がよいでしょう。
特に、病気がないことを確認するための健康診断では、必ず空腹で血液検査を受ける方が望ましいでしょう。
血糖値の上昇の程度と、その時の体調
次に、血糖値の上昇の程度はどれくらいか、体調に問題はないかです。
これらを照らし合わせることで、様子を見ても良いかある程度分かります。
血糖値180mg/dl未満の軽度な高血糖 + 体調に問題なし
血糖値が180mg/dl未満の軽度な高血糖の場合は、体調に問題が無ければ、食事の影響、興奮による可能性が高いです。
この場合、血糖値の軽度な上昇は生理的な反応ですので少し様子をみても構わないことが多いです。
獣医さんの指示の指示に従い、体調に注意して様子を見ながら再検査を受けましょう。
血糖値180mg/dl未満の軽度な高血糖 + 体調に変化あり
軽度の高血糖でも、体調に何らかの問題がある場合、病的な問題の可能性があります。
この際の、主な血糖値が上昇する原因としては、膵炎などのインスリン抵抗性を示す病気、初期の糖尿病、副腎皮質機能亢進症、何らかの体調不良によるストレス反応があります。
また、何かお薬で治療中の場合は薬剤の影響の可能性なども考えられます。
食欲不振、元気がない、熱がある、お水をよく飲む、おしっこの量が多いなどの症状が見られる際は血糖値が180mg/dl未満の軽度の高血糖でも様子を見ない方がよいでしょう。
この場合の血糖値が高いのは病気のサインの一つです。
例えば、食欲と元気がなく、熱があるワンちゃんで軽度の高血糖が見られる場合、膵炎などの炎症性疾患によって血糖値が少し高くなっていると考えられます。
治療をうけて、体調が回復するか経過をしっかりと注意してみる必要があります。
血糖値180mg/dl以上の重度の高血糖
血糖値が180mg/dl以上の重度の高血糖の場合は、糖尿病が最も疑われます。
特に、数値が高いほど糖尿病の可能性が高くなります。
例えば、血糖値が300、400、それ以上の測定限界以上の場合はほぼ間違いなく糖尿病です。
重度の高血糖によりお水をよく飲む、おしっこの量が多いなどの症状や合併症が表れます。
糖尿病の場合、様子を見ずに治療をすぐに相談した方がよいでしょう。
- 食後の影響を避けるため、血糖値は空腹で検査を受けるのが望ましい
- 血糖値が180mg/dl未満の軽度の高血糖は、体調に問題がなければ、食事の影響や興奮による可能性が高い
- 血糖値が180mg/dl未満の軽度の高血糖でも、何らかの症状が見られる際は、血糖値の上昇が病気のサインの可能性がある
- 血糖値が180mg/dl以上の重度の高血糖の場合は糖尿病の可能性が高く、糖尿病による症状や合併症が表れる
血糖値が上昇する原因
ここからは血糖値が上昇する原因について解説します。
よく見られる一般的な原因は太字、救急疾患や重要な病気は赤色マーカーで示します。
血糖値が高くなる原因は様々ですが、大きく分けて3つに分類されます。それぞれに関連した原因をピックアップして解説します。
生理的な反応
- 食後
- 興奮
- ストレス高血糖
- メス猫の黄体ホルモン(プロジェステロン)誘発性:発情間期、泌乳、妊娠
食後
検査で高血糖になる最も多い原因です。
食後に血液検査を受けると必ず軽度の高血糖になります。
繰り返しになりますが、動物病院に行って血液検査を受ける際は食事を与えない方がよいでしょう。
特に、健康診断では必ず空腹で血液検査を受ける方が望ましいでしょう。
ストレス高血糖
何らかの病気によって体調が悪くなり、体は大きなストレスを抱えます。
ストレスによって、コルチゾールやグルカゴン、カテコラミンが分泌されて血糖値が軽度に高くなります。
この場合、軽度の高血糖が見られますが、何らかの病気のサインの一つと考えられます。
外的な要因
- 薬剤:ステロイド(プレドニゾロンなど)、酢酸メゲストロール(黄体ホルモン)、サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)
- 静脈栄養輸液:ブドウ糖を含む輸液
- 中毒:すいせん中毒、へび毒
ステロイド(プレドニゾロンなど)
ステロイド剤は一般的に使用されるのはプレドニゾロンという副腎皮質ホルモン製剤です。
薬の糖質コルチコイドの作用によって軽度の高血糖が見られます。
体の中の病的な原因
- 内分泌疾患:糖尿病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、褐色細胞腫、クロム親和性細胞腫
- 膵炎
- 腎機能不全
糖尿病
インスリンが分泌されない病気で重度の高血糖をおこします。
健康診断で初期の糖尿病が見つかることよりも、何らかの体調不良が原因で病院に掛かった際に見つかることが多い病気です。
合併症として、糖尿病性ケトアシドーシスという状態になると嘔吐や重度の脱水症状が見られ、命に関わる状態になるため、お家で早めにワンちゃんの体調不良を見つけることが重要です。
特に食欲不振、元気がない、水を飲む量が多い、おしっこの量が多いなどの症状がある際には必ず獣医さんに相談しましょう。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌される病気です。
過剰に分泌されるコルチゾールによって、軽度の高血糖が見られ、血栓症などの合併症のリスクがあります。
症状としては食欲増加、水を飲む量が多い、おしっこの量が多い、脱毛などが見られます。
血糖値が低下する場合の考えるべきポイント
血糖値の低下で考えるポイントを解説します。
低血糖の原因は病気による変化が多く、命に関わる救急の場合も少なくありません。
今回紹介するポイントを抑えることで何が原因が疑わしいのか判断する材料になり、緊急性が高いか考えることができます。
ポイントは3つです。
- 年齢はどうか
- 誤食していないか
- 低血糖の症状がみられるか
年齢
1つ目は年齢です。
例えば、子犬は肝機能が未発達のため、低血糖を起こしやすいです。特にトイ犬種は要注意です。また、重度の低血糖を起こす場合は、門脈体循環シャントなどの先天的にかかっている可能性があります。
高齢犬の場合、肝不全や腫瘍性疾患、細菌感染症による敗血症が代表的です。
このように、年齢によって血糖値が低下する考えられる原因大きく異なります。
誤食していないか
2つ目は誤食していないかです。
イチゴやガムに含まれているキシリトールは大量に摂取すると犬において中毒をおこし、低血糖になります。
お酒に含まれるエタノールや、最近は見かけなくなりましたが不凍剤に含まれるエチレングリコールも同様です。
中毒による低血糖は年齢と関係なくおこり、急な変化を起こします。
誤食したイベントがあれば必ず相談しましょう。
低血糖の症状が見られるか
3つ目は低血糖の症状が見られるかです。
症状が見られるかは低血糖の重症度に繋がります。
血糖値が少し低い状態であれば、もともと低い場合もあります。ハウンドやセッターなどの狩猟犬などがこれに該当します。特に症状はなく元気で、異常値が偶発的に見つかったのであれば問題のないことが多いです。
しかし、病気より血糖値が重度に低下すると意識が混濁してボーっとして反応が少なくなり、さらには痙攣発作をおこします。
これらの症状が見られる際は救急で命に関わる状態です。適切な集中治療が必要になります。
- 低血糖を起こす原因は年齢によって疑う原因が異なる
- イチゴやキシリトールの含まれたガムは中毒を起こし低血糖になる
- 低血糖による症状が見られ、意識が混濁したり、けいれん発作が見られる際は救急
血糖値が低下する原因
ここからは血糖値が低下する原因について解説します。
よく見られる一般的な原因は太字、救急疾患や重要な病気は赤色マーカーで示します。
血糖値が低くなる原因は様々ですが、大きく分けて3つに分類されます。それぞれに関連した原因をピックアップして解説します。
外的な要因
- 薬剤:インスリンの過剰投与、β遮断薬(プロプラノロールなど)
- 中毒:キシリトール中毒、エタノール中毒、エチレングリコール中毒
インスリンの過剰投与
糖尿病の治療中でよく見られます。
何らかの原因で食欲がない時や嘔吐で食事があまり取れていない時にインスリンをいつもと同じ量を投与してしまうと低血糖を起こしてしまいます。
糖尿病治療中に食欲がない際は必ず動物病院に相談しましょう。
キシリトール中毒
イチゴやガムに含まれているキシリトールは大量に摂取すると犬において中毒をおこし、低血糖になります。キシリトール体に取り込まれると、インスリンの分泌を刺激するため、血糖値が下がります。
キシリトールの量として体重1㎏当たり0.1g(0.1g/kg)を越えると低血糖を起こす可能性があるといわれています。
粒ガムのキシリトール含有量が約0.5gになりますので、5kg以下の小型犬が1粒のガムを誤って食べてしまうと低血糖を起こす可能性があります。
ただし、体質や個体差はあるため、あくまで目安として参考にしてください。
大量に摂取すると急性肝不全をおこし、深刻な状態になり命にかかわります。
体の中の病的な原因
- 膵炎
- 多血症
- 腎不全
- 敗血症
- 内分泌疾患:副腎皮質機能低下症(アジソン病)、下垂体機能低下症
- 肝臓疾患(肝不全):肝硬変、門脈体循環シャント
- インスリン産生性腫瘍:インスリノーマ
- 膵臓以外の腫瘍:肝臓の平滑筋腫・平滑筋肉腫、肝臓・脾臓の血管肉腫、肝細胞腺腫、肝細胞癌
- グリコーゲン貯蔵症(糖原病)
敗血症
子宮蓄膿症や腎盂腎炎など何らかの細菌感染症が原因でおこる重大な合併症です。
血液中に細菌が侵入し、全身性の重度な免疫反応がおこることで、命に関わる病気です。
副腎皮質機能低下症(アジソン病)
副腎皮質からのステロイドホルモンの分泌が低下する病気です。
体の中の水分やミネラルの異常(電解質異常)により、血液の循環が悪くなってかなりぐったりしてしまうことがあります。
あわせて、基準値を少し下回る軽度の血糖値の低下が見られます。副腎皮質機能低下症をみつけるサインの一つになります。
肝不全
肝機能が重度に低下すると、肝臓でのグリコーゲンの貯蔵量の低下などにより低血糖を起こします。
成犬であれば慢性肝炎が続くことで最終的に肝硬変になり、肝機能が重度に低下して肝不全を発症します。
また、先天的な病気としては門脈体循環シャントがあります。若齢の犬が低血糖を起こす際はかかっている可能性があります。
インスリノーマ
膵臓の腫瘍の一つで、腫瘍がインスリンを過剰に分泌します。
過剰に分泌されるインスリンによって血糖値が下がり、重度の低血糖をおこします。
常に低血糖になるため、運動後にふらつきが出たり、けいれん発作が見られることも多いです。
グリコーゲン貯蔵症(糖原病)
遺伝性の稀な病気です。
マルチーズやポメラニアンに見られることがあります。
貯蔵されているグリコーゲンを分解する酵素が欠損しているため、低血糖を起こします。
その他
- アーティファクト(測定における偽の低下):血液の長時間の保存
- 若齢性:若齢のトイ犬種、新生子
- 狩猟犬の低血糖症
- 長期の飢餓
- 特発性:原因不明
若齢のトイ犬種
成犬になる前の若い犬は肝機能が未発達のため低血糖を起こす可能性があります。
食欲がなくなったり、吐いたりすることでご飯を食べないと、血糖値を保つことができなくなってしまいます。
特に、体の小さなトイ・プードル、チワワ、ヨークシャーテリアなどのトイ犬種は低血糖を起こしやすいため注意が必要です。
まとめ
ここまで血糖値の異常について解説しました。
それでは、これまでをおさらいします。
- 血糖値は自律神経やホルモンによって体の中で調節され、正常に保たれている
- 血糖値を上げるホルモンはアドレナリンなどのカテコラミンやグルカゴン、コルチゾールなどがある
- 血糖値を下げるホルモンはインスリンのみ
- 血糖値が少し高くても、特に症状もないときは食事の影響や興奮などの生理的な変化の可能性が高い
- 血糖値が少し高く、何か症状があるときは、病気のサインの可能性がある
- 血糖値が180mg/dl以上のときは糖尿病の可能性が高い
- 低血糖をおこす原因は年齢によって疑う原因は異なり、高齢犬は敗血症や肝不全、腫瘍、若齢犬は子犬の低血糖や門脈体循環シャントなどが代表的
- キシリトールを含んだガムやイチゴは中毒を起こし、突然低血糖になる
- 低血糖による症状が見られ、意識が混濁したり、けいれん発作が見られる際は救急
血糖値は高くても低くても病気のサイン可能性があります。
血糖値が重度に高い場合は、追加の検査として尿検査で尿糖(尿中のグルコース)の検出や、糖尿病マーカーであるフルクトサミンや糖化アルブミンといった血液検査項目で過去数週間の血糖値の高さを反映する検査を行い、糖尿病の診断を行います。
血糖値が低い場合は、その他の血液検査の項目とレントゲン検査、超音波検査などの画像検査を組み合わせて全身状態の評価や疑わしい病気を探します。そして、精密検査で肝機能検査、コルチゾールやインスリンなどの血液中のホルモン測定などを行います。
血液検査での異常とその原因は様々です。そして、原因は一つではなく、重なって存在することも少なくありません。血糖値においてもそれは同じです。
また、病気によって同じ検査結果でも解釈が異なり、その子その子によって治療の方向性も異なります。
特に難しい病気の場合、獣医さんの説明をよく聞いて、ご家族ののワンちゃんに合った治療の方法を相談して決めていくのがよいでしょう。
もし、少しでも分からないことがありましたら、かかりつけの獣医さんに気軽に質問しましょう。
最後に今回の記事が少しでも飼い主様の疑問に解決し、どうぶつ達の健康に繋がれば幸いです。