遺伝性疾患とは、遺伝子の異常によって病気が発症してしまう病気のことを指します。
特に、遺伝子の異常を親が持っていて、それが子に伝わる(遺伝する)病気をいいます。
猫においても遺伝性疾患は多く報告されております。
メインクーンやラグドールの肥大型心筋症、ペルシャの多発性嚢胞腎、スコティッシュフォールドの遺伝性骨軟骨異形成症が代表的です。
これらの疾患は原因となる遺伝子が特定されております。
遺伝子検査ではこれを調べることによって、その猫が病気を発症する遺伝子を保有しているかを検査することができます。
遺伝子検査はとても身近な検査になりましたね!
遺伝子を持っていることを知ることは、お家のネコちゃんの健康を考える上でも安心に繋がります。
遺伝子検査をオススメする理由については以下の記事でも解説しています。こちらもご覧ください。
以前は動物病院で検査を受けるような限られた検査でしたが、最近では手軽に自宅で検査を行えるキットを提供している検査会社が増えております。
しかし、多くの検査会社があって、どの検査会社に検査を依頼すればよいのか分からないという方もおられると思います。
そこで、この記事では猫の遺伝子検査を受けられる検査会社とその特徴を紹介します。
検査会社毎に①会社の概要、②検査できる遺伝性疾患、③検査費用、④メリット・デメリットとこんな方にオススメといった感じで紹介していきます。
この記事は以下の方におすすめです。
- 愛猫の病気のリスクを知って備えておきたい方
- ブリーディングや繁殖を考えている方
- 家のネコちゃんの遺伝子検査をどこに依頼したらよいか分からないという方
2022年最新版です。是非、最後までご覧ください。
- 猫の遺伝子検査を行っている検査会社とそのサービスの概要
- オススメの検査会社
自宅で行う検査
自宅でキットを用いて検査を行う方法です。
基本的な検査の流れは以下の通りです。
- 検査会社に検査を依頼する
- 検査会社から検査キットが自宅に郵送される
- キットを用いて、お家のネコの口腔粘膜を検体として採取する
- キットを検査会社に送り返す
- 検査会社で検査を行ってもらう
こういった流れのため、検査を依頼してから、最終的に検査結果が出るのには多少日数がかかります。
しかし、動物病院に受診せずに自宅で検査を手軽にできるというのが大きなメリットになります。
Pontely(ポンテリー)
2018年に創立した企業で、犬と猫の遺伝子検査の販売代理のほか、ペットに関する情報提供サービスを行っています。
多くの遺伝性疾患の遺伝子検査を行っており、猫種毎に合わせた検査ができることも特徴になります。
検査はアニコム先進医療研究所に委託されて行われるため、検査結果の信頼性は高くオススメです。
検査内容も分かりやすく、かつ適切です。
また、多くのニーズに応えられるサービスも強みだと思います。
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Pontely(ポンテリー)で検査可能な猫の遺伝性疾患
- 肥大型心筋症(HCM)
- ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)
- 多発性嚢胞腎(PKD)
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 遺伝性骨軟骨異形成症
- GM2ガングリオシドーシス
- ムコ多糖症
- 先天性ミオパチー(筋ジストロフィー)
- オリゴ糖蓄積症(α-マンノシドーシス)
※猫種によって検査可能な疾患は異なります。
Pontely(ポンテリー)の検査料金
検査項目 | 税込み価格 |
---|---|
Starter Plan 猫種毎に必須の 1つの遺伝性疾患を検査 | 5,500円 |
Suggest Plan 猫種毎におすすめの 2つの遺伝性疾患を検査 | 10,780円 |
Health Plan 猫種毎におすすめの 3つの遺伝性疾患を検査 | 15,400円 |
※発症報告などの観点から、Health Plan/Suggest Planがない猫種ある。
※遺伝性疾患の追加検査料金は、1疾患5,500円(税込)となります。
※追加検査は原則検体採取不要
Pontely(ポンテリー)の特徴
- 信頼性の高い検査結果が欲しい方
- お家のネコちゃんにとって最適な検査を簡単に選びたい方
以下の記事で、さらにPontelyをオススメする理由を解説していますので、是非、ご覧ください。
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Orivet(オリベット)
オリベットはオーストラリアに本社を持つ動物の遺伝子検査を行っている会社です。
2014年1月獣医病理学ラボ「ASAP」から独立し、単独機関となっています。
現在ではAnimal Network(旧Genetic Technologies) や他の検査機関もオリベットの一部となりオーストラリアだけでなく世界中のブリーダー、獣医師、ペットオーナーに広範なDNA検査サービスを提供しています。
また国際的に認められた会員団体、ブリードクラブ、協会向けのプロトコルやプログラムも開発しています。
Orivet(オリベット)で検査可能な猫の遺伝性疾患
- 肥大型心筋症(HCM)
- ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)
- 多発性嚢胞腎(PKD)
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 低カリウム血症ミオパチー
Orivet(オリベット)の検査料金
検査項目 | 検査価格 |
---|---|
単検査 | 5,400円 |
追加料金 | +4,300円 |
全疾患検査 | 10,450円 |
セット検査(全疾患・全形質検査) | 13,200円 |
セット検査(全疾患・全形質検査・DNAプロファイル) | 19,300円 |
◎全遺伝性疾患検査は多発性嚢胞腎/進行性網膜萎縮症/肥大型心筋症/低カリウム血症ミオパチー/ピルビン酸キナーゼ欠損の5疾患のすべてを検査
◎紙レポートの発行・発送は500円追加
Orivet(オリベット)の特徴
- 信頼性の高い検査結果が欲しい方
- 全ての遺伝病のチェックを考えている方
Veqta(ベクタ)
愛媛大学発ベンチャー企業として2014年より創業した動物の遺伝子検査を行っている会社です。
2016年から犬と猫の遺伝子疾患の検査サービスを始めています。
犬と猫の遺伝子疾患の検査以外にも、犬・猫の親子判定検査も行います。
また、最近では「Wankinso」というイヌの腸内フローラ(腸内細菌叢)検査サービスも行い、犬の健康に役立つ検査も行ってる検査会社です。
Veqta(ベクタ)で検査可能な猫の遺伝性疾患
- 肥大型心筋症(HCM)
- ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)
- 多発性嚢胞腎(PKD)
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 遺伝性骨軟骨異形成症
※猫種によって検査可能な疾患は異なります。
Veqta(ベクタ)の検査料金
検査項目 | 税込み価格 |
---|---|
1項目あたり | 4,950円 |
特急(検体到着後4営業日以内)1項目あたり追加料金 | 2,200円 |
判定不能時の再検査(検査キット、送料込) 1項目あたり | 2,750円 |
◎検査キットは、ご入金確認後の発送。郵便事情により3日前後で届く。
◎通常、検体到着後7営業日以内に検査結果を報告(簡易速報)
Veqta(ベクタ)の特徴
- 検査の価格をなるべく抑えたい方
動物病院で行う検査
動物病院にお家のネコちゃんを連れていって検査を受けます。
ケーナインラボ
2005年に日本にて創立している歴史のある検査会社です。
動物病院からの依頼を受ける臨床検査の一環として遺伝子検査も行っています。
現在は富士フイルムVETシステムズ株式会社と提携し、業務を行っています。
動物病院で採血を受けて、遺伝子検査を行うのも特徴です
ケーナインラボで検査可能な猫の遺伝性疾患
- 肥大型心筋症(HCM)
- ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)
- 多発性嚢胞腎(PKD)
- 第Ⅻ因子欠損症
ケーナインラボの検査料金
検査料金は検査を受ける動物病院によって異なります。
動物病院で検査を受ける場合は、かかりつけの動物病院に問い合わせください。
ケーナインラボの特徴
- かかりつけの獣医さんと相談して検査を決めたい方
- ネコちゃんの性格上、自宅での検査が難しい場合
まとめ
猫の遺伝性疾患の検査会社の比較について解説しました。
それではおさらいです。
- 遺伝子検査は愛猫の病気のリスクを知って備えておきたい方やブリーディングや繁殖を考えている方にオススメ
- 自宅で行える方法と動物病院に受診して行う方法がある
Pontely(ポンテリー)
- 信頼性の高い検査結果が欲しい方やお家のネコちゃんにとって最適な検査を簡単に選びたい方にオススメ
- 検査をアニコム先進医療研究所が行っているため、信頼性が高く、もりぞー先生もオススメ
Orivet(オリベット)
- 信頼性の高い検査結果が欲しい方や全ての遺伝病のチェックを考えている方にオススメ
- 検査施設が海外にあるため、輸送や手続きが煩雑
- ホームページが分かりにくい
Veqta(ベクタ)
- 検査の価格をなるべく抑えたい方にオススメ
- ホームページが分かりやすい
ケーナインラボ
- 動物病院で採血して検査を行うため、自宅での検査が難しい方にオススメ
猫の遺伝性疾患は近年広く認知されてきています。
特に海外では健康診断と同じくらい一般的に行われ、遺伝子検査は猫の健康を支える検査になっています。
遺伝子検査を受けることで、将来の病気のリスクについて知ることができます。
お家のネコちゃんと一緒に過ごしていくために大切なことだと考えられます。
また、遺伝性疾患を残していかないようにブリーディングすることで、未来のヒトとネコの生活をよりよくすることができると思っております。
そのため、1頭でも多くのネコが遺伝子検査を受けることを願っております。
最後に今回の記事が少しでも飼い主様の疑問に解決し、どうぶつ達の健康に繋がれば幸いです。